温水洗浄便座の豆知識

日本ではウォシュレットと聞いて、ピンとこない人はいないと思います。
あの温水による洗浄機能を持った便座のことですが、メーカー別の呼称として「シャワートイレ」ともいい、一般的には「温水洗浄便座」のことを指し、名前は違えど機能的にはまったく同じですね。
今回は日本人なら誰でも知っているであろう温水洗浄便座にまつわる話です。
温水洗浄便座の歴史
日本では高い普及率を誇る「温水洗浄便座」なのですが、その歴史は1964年に米国のアメリカン・ビデ社が医療・福祉用に開発したものを輸入して販売したのが始まりだと言われています。
その後、住宅設備メーカーである「TOTO」が1980年に「ウォシュレット」を発売し大ヒットになり、今では一般名称として使われる知名度にまでになりました。
内閣府の調査では2018年の温水洗浄便座の普及率は80.2%となり、まさに日本家庭の必需品ですね。
なぜ和式便器と洋式便器が存在するの?
今でこそウォシュレット付きの洋式便器が日本では主流ですが、便器には「腰かけ式」(洋式)便器と「しゃがみ式」(和式)便器の2種類が存在します。
「しゃがみ式」便器は日本独自の文化のように感じるかもしれないですが、世界でも「しゃがみ式」便器文化は多数存在します。
日本に「腰かけ式」便器が入ってきたのは明治時代で、もうすでに100年以上の歴史があるのですね。
この2大便器のルーツは世界的にみて宗教が深く影響していると言われています。
主にイスラム教の国が「しゃがみ式」便器を、そしてキリスト教の国は「腰かけ式」便器を使っていたと言われています。
文化圏の違いが便器にも大きく影響しているようですね。
「しゃがみ式」便器についてなのですが、便器の前の金隠しがあるのは日本だけの文化のようです。
そのルーツは平安時代に貴族の女性が、十二単を汚さぬようにするために取付られたのが発祥だという説があります。
それが便器の前後を判断する目印のために必要とされ変貌し、さらに時をへて前を隠すオブジェとして、現在に至ると言われています。
他に、戦時中に大事なものを守る目的のために変化したという説もあります。
便器のルーツをたどるとさまざまな時代背景があり面白いですね。
豊富な便座の種類と機能
「便座」という言葉が使われるのは、腰かけ式(洋式)便器のみです。
しゃがみ式(和式)便器には「便座」という器具がないから当然ですね。
現在の便座には全部で3種類ありそれぞれ機能が異なります。
- 普通の便座
特別な機能はなくベーシックな便座
- 暖房便座
便座部が温かくなる便座
- 温水洗浄便座
便座が温かく、更に温水洗浄できる便座
です。
暖房便座の場合、普通の便座設置作業に加えて家庭用コンセントが必要です。
温水洗浄便座の場合には、家庭用コンセント以外に配管工事が追加となるところが違います。
また、温水洗浄便座は「貯湯式」と「瞬間式」の2タイプがあります。
「貯湯式」とは内蔵されたタンクに温水を貯めておくタイプのことです。
比較的安価のためコストを抑えて設置できることがメリットになります。
しかし、お湯を常に温めておくために電気代がかかることと、一定量を使用すると湯量が足りなくなり、連続で使えないことがデメリットになります。
「瞬間式」とは瞬間加熱して洗浄時に温水をつくるタイプのことです。
洗浄する時にだけ温水を作るので、電気代を節約できるのが大きなメリットで、そのため連続で使用しても温度が急に下がることはないでしょう。
デメリットとしては導入時に「貯湯式」と比べ費用がかかることです。
どちらにするかは、費用対効果がどれくらいあるかになりそうですね。
まとめ
いつも何気なく使っているトイレの便座ですが、毎日の生活の中で日常必需品として時代と共に姿を変え、便利になって現在の形になっているのですね。
掃除のしやすさから洗浄の快適性、機能や電気代などテクノロジーの進歩で大きく変化しているのが、最近の風潮なのでしょう。
やはり毎日使うものだからより良いものを使いたいですね。